第54章 彼氏力が爆発した

水原寧々の印象では、藤原修一はいつも謙虚な紳士で、穏やかで礼儀正しい人だった。こんなに怒り狂うところは見たことがなく、ましてや手を出すなんて。

藤原修一が手を出した瞬間、水原寧々の心臓はドキンと跳ねた。誰かに守られているという感覚が、こんなにも心地よいものだとは。

今の藤原修一は、男としての魅力が爆発していた。

高橋長明は立ち上がってよろめき、口元の血を拭うと、血の混じった唾を吐き出した。歯も手のひらに吐き出している。

大勢の人前で殴られ、それも水原寧々の前でのこと。呪わしいプライドが高橋長明を激怒させた。

高橋長明は歯をこすりながら、藤原修一に向かって嘲笑した...

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